しおのーと

今澤汐音(いまざわしおね)のブログです。日常や考え事をつらつらつら。

湿ってるタイプです

私は耳垢が湿っているタイプだ。

 

噂によると人間の耳垢タイプは

乾いているタイプと湿っているタイプの2種類だ。

噂によると日本人は半数以上が乾いているタイプだそう。

そして噂によると乾いているタイプは

耳の構造上、耳垢は自然と外へ出ていき

耳かきの必要がほとんどないそうだ。

 

ああ、うらやましい。

心底うらやましい。

そう私は

耳垢が乾いているタイプの人種にジェラりまくっている。

 

 

耳垢が湿っていて嫌なことは色々ある。

耳がかゆくて何の気なしにほじると指にべとっと耳垢がついてしまったり

美容院でシャンプーのあとにタオルを耳の中まで入れられると「あああ耳垢つかないかな」と心配になったり……

(個人の意見です)(汚くてすみません)

 

 

耳垢が湿っていて嫌なことランキング

堂々の第一位は、

綿棒に意味を見いだせないことだ。

(完全に個人の意見です)

それどころか、軽い気持ちで綿棒を使ってしまったがために最悪の結果を招いたことがある。

 

愛媛県東温市坊っちゃん劇場で

ミュージカル「瀬戸内工進曲」に出演していたときのことだ。

あれは5月のゴールデンウィーク

両親が山梨から愛媛に観劇に来てくれる

まさにその前日の夜。

天然温泉利楽(劇場近くにある最高の温泉宿)でゆっくりと温泉を堪能し

風呂上がりのスキンケアなど行っていると、当たり前のようにそこに鎮座する綿棒の姿があった。

用意されているものは自分には必要ないと分かっていても使いたくなるもので、

愚かな私は何の気なしに綿棒で耳をほじってしまった。

 

次の瞬間。感じた違和感。不快感。(韻踏めた)

片耳から聞こえる「サーッ」という音。

水が片耳にだけ入ってしまったときのあの

ちぐはぐな閉塞感。

やってしまったと思った。

なんと私は

自分の耳垢で自分の鼓膜を塞いでしまったのだ。

 

湿った耳垢勢にとって

耳掃除が完璧でない状態での綿棒は、

溜め込んだ耳垢を奥に押し込む行為に他ならないと分かっていたのに。

 

明日も公演がある。

ミュージカルに出演するのに急に片耳が聞こえないなんて。

なんとかできないか必死でやってみる。

細い耳掻きや粘着テープ付き綿棒も買ってやってみる。

努力も虚しく、全くびくともしない耳垢。

半泣きで眠りについた。

 

翌朝。状況は変わらない。

そしてさらに悪かったのが、

祝日のため耳鼻科が休業していたことだ。

 

劇場に行き、祈るような気持ちで発声練習をする。

やはり上手く聞こえない。

自分の内側に響く音と外から聞こえてくる音がぶつかって、気持ちが悪いのなんの。

絶望。近年稀にみる絶望。

たかが耳垢でここまで人は絶望できる。

 

でも……この状態でやるしかないのだ。

腹を括った。

耳を慣らすために、

超真剣にサウンドチェックに挑んだ。

 

そして緊張の本番を何とか終えた。

ほとんど覚えていないことが、集中していた証拠なのだろう。

 

次の日の公演も状況は変わらず、

結局ゴールデンウィーク最終日、

私の耳垢はようやく耳鼻科にて取り除かれることとなる。

まるでディズニーランドのファストパスをとるかのごとく朝一で整理券をゲット。

 

お医者様登場。

耳の奥まで入れられそうな細長いピンセット登場。

ピンセットの先にカメラがついていて、

耳垢を除去する映像がリアルタイムでモニターに映るようになっていた。

 

最近の耳鼻科すげー。と感心しながらも

これでも取り除けなかったら…

手術なんてことになったら……

そんな想像を……

 

するまでもなく、

ピンセットで耳垢をひとつまみ。鼓膜があらわれた。

ていうか自分の鼓膜初めて見たの。綺麗な白桃色でした。

 

鼓膜が見えるのと同時に、文字通り音が流れ込んでくる感覚と

久しぶりに耳の奥が空気に触れる感覚がしまして。

カイ…カン…………

 

 

 

結局ものの30秒で診察室から追い出され

初診料も合わせて2000円ほどの痛い出費で

耳垢との戦いは終幕した。

 

 

私と湿った耳垢についてのお話でした。

 

 

 

耳垢が乾いてる人にはこの感覚は分からないかもしれないし、湿ってる人もそこまで気にしないタイプであれば分かち合えないでしょう。

しかし分かり合えない湿ってる勢と乾いてる勢を敵視する必要なんてまるでなくて、

分かち合える湿ってる勢に出会ったらたくさん喜べばいいだけだ。そしてみんなで楽しく暮らす。

それだけのことだ。

 

それが多様な社会で生きるってことだろう?

 

 

 

 

 

そろそろ黙ります。

夜のテンションって怖いね。

 

 

 

今澤汐音🌷

Twitter→s_now7